いよいよ3月27日(金)プロ野球開幕戦が近付いてきました。そして今日開幕1軍メンバーが発表されました。
タイガースはオープン戦終盤に好調だった打線が全体的に調子を落としたのが気になりますが、補強をしなかったことが逆に奏功し即戦力ルーキー2人が開幕1軍に入っています。
故障者も少なく投打にバランスの取れたいい布陣となっていますが、心配なのは和田監督の3番サード西岡という構想です。
まずは発表された「開幕1軍メンバー」からご紹介。
・投手
13 榎田大樹
16 安藤優也
19 藤浪晋太郎
21 岩田稔
22 呉昇桓
30 石崎剛
54 ランディ・メッセンジャー
56 松田遼馬
64 桑原謙太朗
69 島本浩也
・捕手
44 梅野隆太郎
45 清水誉
50 藤井彰人
・内野手
1 鳥谷敬
3 関本賢太郎
4 上本博紀
5 マウロ・ゴメス
7 西岡剛
32 新井良太
35 坂克彦
・外野手
00 柴田 講平
0 大和
8 福留孝介
9 マット・マートン
25 江越大賀
61 田上健一
68 俊介
ここに2カード目の先発陣が入ってくるので、誰が外れるのか?まずは外野から2人は抜けそうな気はします。
キャンプやオープン戦序盤では、色々な若手の名前が大々的に取り上げられていましたが、 やはりというべきか残ったのは、投手ではルーキーの石崎と育成から支配下登録された島本、野手でこちらもルーキーの江越。
目新しい名前と言えばこの3人くらいになりました。
投手陣は福原が故障で出遅れますが、松田遼馬、石崎の2人で穴を埋め、今後の世代交代にも繋がる動きを見せてくれるでしょう。
春季キャンプであの江夏豊氏からMVPに選ばれ、江夏氏使用のグラブまで貰った島本に関しては、投げっぷりの良さ。 体全体を使い重心を低く、ギリギリまで球離れを遅らせるフォームは、打者にはスピードガン以上に速く感じ、 タイミングが取りづらいという利点があり、今後かなりの戦力になるはずです。
投手陣は絶対的なストッパー呉昇桓(オ・スンファン)がドンと居座り、先発陣では岩本の成長で、 昨年の岩崎に次いで新たなローテーション投手として計算が立ちそうで6枚が揃い、中継ぎも厚みを増し、 いいバランスが取れた布陣となりそうです。
ただ、野手陣に目を向けるとセカンドを上本に任せた和田監督の構想は素晴らしいと思いますが、 監督構想にある「3番サード西岡」は、打線という流れと三塁の守備面で、かなり心配の種になりそうです。
これまで何度か書いてきましたが、西岡のサード守備はお世辞にも上手いとは言えず、プロのレベルに達していません。
投手として真正面のゴロをトンネル、ボテボテの当たりをファンブル、悪送球されるのは、かなり堪えます。
西岡の捕球のレベルもそうですが、彼の場合「肘」の故障もあるので、送球面の不安もついてまわります。
サード守備では、今成が抜群に上手いために西岡の守備の拙さは余計に目に付きます。
そして打撃の面では、西岡がオープン戦などでここまで相当の打撃を魅せているのなら別ですが、オープン戦終盤で少し当たりが出て来たとはいえ、彼に3番を任せるのはチーム全体の打線を考えると、4番ゴメス、5番マートンに繋がらない打線になりそうな不安があります。
昨年、西岡の故障後3番に入った鳥谷はその抜群の選球眼で、ゴメス、マートンに繋ぎ、 彼らに文字通りクリーンアップの仕事をさせました。 (事実ゴメスは昨季打点王)
ゴメスの前にマートンを持ってくると、ゴメスへの配球は相当厳しくなるので、昨年ほどの活躍は期待出来ない。
福留の打撃の調子がようやく彼本来のものに、近付きつつあるので、マートン、ゴメス、福留のクリーンアップでも ある程度得点は稼げそうですが、そうすると6番に西岡を持ってくる意味はあるのか?ということにもなります。
2番打者に近い形の3番で西岡というのはありだとは思うんですが、結局のところサードの守備面での不安が大きすぎます。
3番に福留を持ってくるのであれば、6番は一発と勝負勘の強い新井良太でいいですし、今成も戻ってきます。
結論から言うと、西岡を使うところがないというのが現状です。
あの金本知憲氏も今成の守備力の高さを認め、1年通してレギュラー張らせれば3割打てる技術はあると打撃センスの高さも評価しています。
打撃でも守備でもサードを任せられるのは、西岡しかいないという状態なら問題はないと思いますが、 新井良太にしても、今成にしても1年通して使われないレベルの選手では無くなってきていると見ています。
そこに優先的に西岡を持ってきて、打てない守れないとなると、新井良太、今成だけでなくチーム全体への影響も出て来ます。
今季のタイガースは、優勝争い出来るレベルにあると思っていますが、サード守備と打線で見た時の3番を誰にするか?
ここは非常に難しい勘所で、和田監督の采配の妙の出し所だと思いますが、さてどう出るか?
もちろん、西岡の守備がレベルアップしていき、3番打者として及第点の打撃をしてくれれば、何も文句はありません。
開幕前日に西岡の話ばかりになってしまいましたが、まずは明日の開幕ゲームを勝利で飾って「80周年のタイガース」に勢いを付けたいところです。
(開幕戦の検証はこちら)
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