中尾スカウトが2013年ドラフトで見出した類い稀な投球術を持つ投手、岩崎優(いわざき すぐる)
2014シーズンにルーキーながら開幕5戦目の一軍プロ初先発で、初登板・初先発・初勝利を記録した。
ドラフト時、本来は5位の山本で指名終了の予定だったが、岩崎に惚れ込み続けた中尾スカウトの進言により、ドラフト会場で予定外の急遽の指名となった。
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岩崎のプロ初勝利は「ドラフト会議での最下位指名で入団した新人投手による達成」という阪神球団史上初の快挙でもあった。
2014ルーキーシーズンの成績は5勝4敗、防御率3.50を記録。
阪神のドラフト6位以下の新人が5勝を挙げたのは、これも史上初の快挙となった。
球持ちの良いフォームから腕の出所が見にくく、140キロ前後のストレート、またストレートと同じフォームでスライダーやフォークの変化球を投げる。
ピンチになっても、抑えてもポーカーフェイスで飄々と投げる。
ご覧の様に、右足にしっかりと体重移動がされているところが、まずもっていいフォームなのだが、そこからの球持ちの良さ、球離れの遅さは、完全に打者のタイミングを外している。
牽制球も落ち着き払った何食わぬ顔で、意表を突いてくる。
球団内では、同じく下位指名からロッテのエースとなった成瀬のようという表現で評価をされたようだが、フォームは違うものの、あの大エース星野伸之氏にも似たスタイルを感じる。
その意図が分かりかねるのと、他に理由があったのかもしれないが、登板間隔はあくまでもローテーションの谷間的起用で、7月末には一度二軍にも落とされている。
確かに、痛打された場面もあったが、私には相手打者がどうしてもタイミングが合わない、合わせづらいという感じで、今季、和田監督がしっかりローテに入れて先発させていれば、二桁勝利も可能だったのではないかと思っている。
当初、榎田を優先先発させ、何度もKOされたこと。苦し紛れの様にローテの谷間に、二神、秋山、鶴を先発させ、痛打され続けたことを考えると、榎田よりもローテーションの順番は上にして、岩崎を投げ続けさせることは出来なかったものかと悔やまれる。
故障があったのか、6位指名という指名順位の低さからなのか、和田監督の岩崎に対する試合後の賞賛とは裏腹に、余り評価されていない感があったのには、正直納得のいく采配ではないとも感じていた。
シーズン終盤、1位指名の岩貞が先発登板してきたが、今季は確実に岩崎の方が格上の投球をしており、岩貞はまだまだルーキーらしい危うさもあった。
来季2015シーズンは和田監督には、もっと岩崎に登板チャンスを与えてもらいたいし、今現在からローテを確約してもおかしくない程の精神力と実力を兼ね備えた投手だと評価している。
もし、岩崎の投球に相手打者のタイミングが合いだしたら、クイックモーションや、ゆっくりと打ち気をそらす様な自身のフォームの緩急を付ければ、また一段と凄い投手になるだろう。
来季、何事もなくローテーション投手として投げさせれば、二桁勝利は確実にしてくる投手だ。
元々、中尾スカウトは他球団スカウトも周知の別の投手を観に行ったらしいが、隣で投げていた岩崎のフォームに惚れ込み、それから祈る様な思いで「誰も岩崎の素晴らしさに気付かないでくれ」と指名を心に秘めていたようだ。
それにしても、こんな逸材を密かに温めていた「中尾スカウト」の眼力」はやはり慧眼としか言い様がない。
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